ランナーでもあるイギリス人の著者が日本の長距離界を取材して書いた本です。

こんなタイトルですし( 失礼!)、あまり期待せず読みました。

海外の人が読めば、日本の長距離界が奇妙に思えて面白い、そういう本なのだと思いますが、私はお世辞にも興味深く読めたとは言えません。

ただし、第14章を除いて。

「 ベアフット( ←素足という意味です )ランニングとの出会い 」 というタイトルのこの章では、やはり 『 BORN TO RUN 』 に触れており、このように要約しています。

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人間が長距離を走れるように進化したのは、粘り強い狩猟-動物が疲れ果て、倒れて死ぬまで走って追いかけたこと-によるもの。 それが彼ら( ハーバード大の研究者たち )の説だ。 その理論が正しいとすると、事実上、われわれは誰もが走るために生まれてきたことになる。
にもかかわらず、現代の人間が走ることを苦とし、怪我ばかりするのは、大きく不恰好な靴を履いているからだという。 そのため、脚は本来の設計通り機能せず、軽やかで慎重な着地ができなくなり、正しい走り方についての情報を脳にフィードバックすることをやめてしまう。 結果、子供のころから裸足で大地を駆けまわるケニア人とはちがい、われわれの多くは、でたらめな設計のロボットさながら重い足取りで歩き、レンガのごとき分厚い靴を履いた足をアスファルトに叩きつけ、激烈な衝撃を脚に送り込み、膝や関節を破壊することになる。

ランシューが衝撃を吸収するはずだと考える人たちからすると、受け入れられない主張ですね。 私は腑に落ちますが。

著者はリー・サックスビーという人物に勧められて、靴底のきわめて薄い靴( 以下ミニマリスト・シューズ )を履くようになり、その後3度フルマラソンに挑戦し、自己ベストを更新( 2時間55分 )するに至ったそうです。

リー・サックスビーは、“ ミニマリストシューズに切り換えたからといって、身体の準備が整っていなければ、すぐに効率的な走りができるわけではない ”、とも言っていて、その準備のひとつが“ 足首が曲がること ”だと言うんです。

足裏を床につけたまましゃがみ込めれば準備OK。 みなさんできますか?

私はこの本に影響されて、2015年の年末から務めてしゃがむ時間を増やしています。

時折披露されるランニングに関する著者の知見も面白かったですよ。

例えば

「 決まったペースで走ろうと考えたことはありません 」とラドクリフは言った。

「 日本式 」 のやり方-会計士のようにラップタイムを几帳面に計算すること-こそが日本のトップ選手達の実力を蝕み、ケニア人に勝てない要因になっているのでは?

イーブンペースで走れない私にとっては救いです( 笑 )。

優秀なドイツ人ラグビー選手が存在しないのは、ドイツ人の体型のせいではない。 たんに、彼らがラグビーに興味がないからだ。

えらい極端な例えですが、体格,体型の問題以前に本気で取り組んでいるかどうか、ってことですな。

あるフランスの研究では、2011年に活躍した世界トップ100人の男子マラソン選手の平均身長は170㎝であることが判明した。

わたくし182㎝cm( 汗 )。

日本人選手と違い、ケニア人たちはストレッチに多くの時間を割くこともなく、狭いトレイルに沿ってすぐに走り出した。

ストレッチを“ する ”けど多くの時間を割かない。 共感するわ~。

ケニア人たちはほとんど足音を立てなかった。

やっぱ足音大事!

平均的な日本人ランナーの筋肉は地面に着地する前に緊張する傾向があり、そのため多くのエネルギーを失ってしまう。 ところがその原因は、日本人選手がより負担の大きな踵着地を頭の中で予期していることだった。

( 長距離走においてケニア人が日本人よりも生まれつき有利かどうかをケニアで実地調査した研究者曰く ) 「 じつのところ、明確なことはまだ何もわかりません。 決定的な差は見つかっておりませんし、もしかしたら差はないのかもしれません。 」

前言撤回。 この本面白いわ。