ハイキングコースやよく整備された登山道を歩く時にも履けるワラーチ作れない?って知人から持ちかけられたのがきっかけです。 条件は、①多少の泥でも滑らず、②小枝踏んでも貫通しないことで、薄くて軽ければなおよしです。

 

現在の試し履き状況

3種類の不整地用ワラーチを試し履き中です。

3作目:硬めのソール+ゴムスポンジ+中敷き

上の写真左のワラーチは硬めのスニーカー用ソール(5mm厚)にゴムスポンジ(3mm厚)を重ねて4号帆布で中敷き加工したものです。

濡れた登山道でも、多少滑るものの歩けますし、小枝がソールに刺さることもありません。

底に出ている鼻緒の結び目が不整地での使用でどれほど傷むか、ソールが硬いせいでストラップがソールのカドと擦れる箇所で擦り切れないか、などが気になるところですが、今のところ(19年5月中旬,トータル150km)どちらも問題なし。

特に鼻緒の結び目に関しては、アップダウンの多い走路で150kmほど履くと通常はもっと傷むので、凹凸のくぼみに収まるように作ったのが功を奏していると思います。

私(←製作者 院長すえき)のランニングフォームの拙さもありますが、これまたソールが硬いせいで舗装路を走るときにやや大きな足音がします。

4作目:柔らかめのソール+ゴムスポンジ+中敷き

右のワラーチは、前出の左のワラーチのソールよりも少し柔らかいスニーカー用ソール(5mm厚)にゴムスポンジ(3mm厚)を重ねてノンスリップレザーで中敷き加工したものです。

私が履く限りでは登山道でのグリップは前出の左のワラーチと変わりませんが、 舗装路での履き心地は柔らかいからかこちらのほうがいいですし、走った時の足音も気になりません。小枝も大丈夫です。

4月下旬にノンスリップレザーが剥がれて、接着シートの変更と下地処理の追加の2点を改良して貼り直しました(詳細は「これまでのいきさつ」にあります)。 試し履き再開後、5月中旬の時点でまだトータル60kmしか履いていませんが、剥がれもズレもなくまずはホッとしています。

5作目:柔らかめのソール+中敷き

真ん中のワラーチは2番目に紹介したのと同じソールに4号帆布で中敷き加工したものです。

ゴムスポンジがないので、

履き心地はとにかく「硬い」です。 登山道では足裏に路面の凹凸を鋭く感じることもあって、不整地用としてはある程度の山歩きの技術が必要だと感じています。

一方、その硬さがいいのか舗装路を歩いていると歩行動作の左右差を強く自覚できます。 コレを履いて、左右差が小さくなるように工夫しながら歩くだけで身体のバランス改善につながるのではないかと期待しながら試し履きしています。

 

これまでのいきさつ

2017年2月 1作目,2作目を試作

試作品1作目は最低限のワラーチ6mm厚のソールに4mm厚のゴムスポンジを重ねてノンスリップレザーを貼ったもので、

2作目(写真奥)は同じソールとゴムスポンジに、布目加工された0.3mm厚のゴムシートを貼ったものでした。

それぞれ厚さが1cm以上あるので小枝踏んでも貫通することはありませんでしたが、底の凹凸パターンがよくないのか泥での滑り止め効果はほとんどありませんでした。

また、ノンスリップレザーはある雨の日に剥がれが生じ(※)、

布目ゴムシートは履く度に足裏が真っ黒になるなど、中敷きもイマイチでした。

※ノンスリップレザーは、購入時は薄いガーゼ状の布で裏打ちされた状態なのですが、剥がれたのはレザーシートと裏打ち材との間に生じたものでしたので、これ以後は裏打ち材を剥がしてから加工することにしました。

3月~9月 放置期間

試作品の出来がイマイチだったのと、当時は私自身が不整地でワラーチを履いて歩いたり走ったりすることが滅多になかったのとで、試走も新たな試作品作りもほとんど進みませんでした。

10月 3作目を試作

半年以上の放置期間を経て試行錯誤を再開しました。 多少の泥でも滑らないという条件をクリアするために、最低限のワラーチ6mm厚のソールを使いまわすのをあきらめ、底の凹凸の深いものを試すことにしました。

まずは登山靴で使われるソールを2種類取り寄せたのですが、

硬くてハサミが入らず・涙。 なので、凹凸はあまり深くないけどもう少し薄くて柔らかいスニーカー用ソール(5mm厚)を調達しました。 個人でもネットで買えるソールです。

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このソールもハサミでサクサク切れるほど柔らかくはありませんが、なんとか成型して、3mm厚のゴムスポンジを重ねて4号帆布で中敷き加工しました。

10月~12月 3作目を試し履き

試し履きはおおむね順調でした。 10月中旬に雨で少しぬかるんだ高尾山を歩く機会があったので履いてみたのですが、凹凸が浅い割には結構グリップします。 泥が左右に逃げるような凹凸パターンが効いているのかもしれません。

2018年1月~10月 2度目の放置期間

1月からは寒くて試し履きがはかどらず、3月からはワラーチ以外の業務の都合で自宅を留守にすることが多く、2度目の放置期間でした。

11月~2019年3月 4作目の試作と3作目の試走再開

3作目よりも柔らかいスニーカー用ソールを見つけたので、11月上旬に4作目を試作しました。 このソールも個人で買えます。

同時に、3作目の試走も再開させました。

ミッドソールのゴムスポンジは3作目と同じ3mm厚で、中敷きはノンスリップレザーに再挑戦しました。

3作目よりもほんの少し柔らかいだけですが、加工しやすさはずいぶん違います。 値段もこのソールのほうが少し安くてありがたいです。

なお、作ったのは11月ですが、試し履きを始めたのは19年の2月下旬から。 3作目の試走再開もその頃です。 寒さに心折れてました。

4月 5作目を試作

3,4作目の試し履きを継続しつつ、4作目のソールに4号帆布で中敷き加工だけしたものを5作目として作りました。

ミッドソールにあたるゴムスポンジを省略して、少しでも軽くなればと思ったのですが、

26.5cmのストラップがついてない状態で129g。 ウチのラインナップでいちばんよく売れる最低限のワラーチは8mm厚でも60gを少し超えるくらいなので、やはり重いですな。

鼻緒の結び目は底に出しています(ミッドソールがないと隠せないので)。 凹凸のくぼみに結び目がくるように作りましたが、3作目ほどうまくおさまっていません。

4月下旬 4作目のノンスリップレザーに剥がれ発生

登山道を中心に100kmほど試し履きした時点で、踵に近い箇所でノンスリップレザーの剥がれが生じました。

登山道の下りで剥がれたのだと思います。 裏打ち材を剥がしてから加工するようになって以来、ここまで派手に剥がれたのは初めてです。

作り直すにあたって変更を加えたのは2点。 1点目はプライマーと呼ばれる表面処理剤で接着面を下地処理する工程を追加したことです。

そして2点目は接着シートを変えたこと。 メーカーさんいわく、接着力の発現に24時間かかるがその分強く接着できるとのことなので、圧着時間も24時間。 今後試し履きが上手くいき、この接着シートを採用することになったとして、沢山の注文が入った場合は圧着の工程で渋滞するのは確実ですが、接着力の発現が早いシートは高価で手が出せなかったので仕方ありません。 渋滞緩和策はこのシートを正式採用することになってから考えます。

もったいないので、ゴムスポンジとノンスリップレザー以外は再利用して作り直しました。 作り直す前は隠していた鼻緒の結び目も工程の都合で底に出ています。