ダッシュ,スプリント,切り返し,ターン,垂直跳び,片足踏みきりジャンプ,両足踏みきりジャンプから競技で多用する動作を選び、0.01秒単位でタイム計測できる光電管や1cm単位で到達高が測れるヤードスティックで数値を測定しながら反復します。
利点
①記録更新が即競技力向上
②即座にかかる正確なフィードバックがトレーニング強度を高める
③記録更新までのプロセスが競技の技術習得に通じる
記録更新について
更新は年に2〜4回
高校生の男子選手では、記録を更新する時期が年に3~4回はあります。
女子選手は男子よりもやや少ない印象です。
0.01秒は6~9cm
0.01秒は男子高校生の10m走なら6cm、20m走なら8~9cm違います。
陸上競技では勝敗に、球技なら得失点に関わる差です。
トレーニング頻度
週1回が効果的かつ現実的です。
2週に1回でも記録更新は見られますが、向上期にさしかかったら週1回に増やしたいところです。
順番を待つ時間
記録更新を妨げている可動域制限をストレッチで改善したり、タブレットで撮影したフォームを確認したりする重要な時間です。
この時間を有効に使える選手は、普段の練習の質も高いです。
動作の特徴
ダッシュ
滑りにくい10~20mの直線で実施します。緩やかな上り坂であれば、より好ましいです。
加速力強化のほか、腕と脚の連動させた動きを身につけます。
スプリント
加速走という練習で最大スピードを高めます。
100m世界記録のレースでの最高速度は12.27m/秒。
女子の短距離選手でも世代トップは高校生で9.5m/秒、中学生でも9m/秒で走るので、男子高校生のサッカー選手や野球選手なら、素質にめぐまれなくても技術で9m/秒以上まで上げたいところです。
4~5kgの腕と10~13kgの脚を大きく速く強く振り回すので、体幹を強化する手段としても高強度で実用的です。
切り返し
ターン
切り返しに比べ、より技術的な動作です。
垂直跳び
メディシンボール バックスローとほぼ同じ動作様式ですが、数値のフィードバックがかかり、競技中の動作そのものなので、強度と特異性の面で有利です。
片足踏みきりジャンプ
スプリントと相関が強いので、走る競技なら跳ぶ機会が少なくても実施したい種目です。
背中から臀部,ハムストリングにかけてのパワー種目としても有用です。
両足踏みきりジャンプ
バレー競技特有の動作。
女子で垂直跳びプラス10cm以下,男子でプラス15cm以下なら技術的な課題が大きいと考えます。