下のグラフは、とあるシニアランナーの左足踏みきりジャンプの到達高の記録で、高校生にも見られる典型的な記録更新パターンです。

初期に記録を一気に伸ばす期間(A)があり、その後は記録が低調な期間(以下、停滞期:B)と記録を更新する期間(以下、向上期:C)を交互に繰り返しています。

初期の記録更新期間

他のフィジカルトレーニングと同じく、神経系の適応によるものだと考えます。

フィジカルトレーニング全般としては、このタイミングの記録の伸びは動きや強度が非日常的であればあるほどハッキリ現れますが、動作として日常的であるはずのダッシュやスプリントでも、このタイミングで伸びます。

数値でフィードバックをかけることで、強度的に非日常的なレベルまで上がることを裏付けています。

停滞期

男子選手よりも女子選手のほうが、中学生よりも高校生のほうが長めです。

この期間でもアベレージは上がるので、実際の競技ではパフォーマンスの向上がみられます。

向上期

主に技術の上達による更新です。

記録更新後に筋力向上

部活動現場では、動作スピードや跳躍高の伸びに筋力が追いついてくる、という印象で、筋力向上が記録を更新するケースは、動作技術の完成度が高いという条件つき、という印象です。

更新できない選手

著しい可動域不足や機能不全は記録更新を妨げます。

前者は足関節と股関節と肩関節に、後者は前足部と足関節に集中しています。

前出のシニアランナーの、右足踏みきりジャンプの記録を重ねたグラフです。

ケガの後遺症がある右足関節と屈曲内転内旋可動域が狭い左股関節のため、初期の記録更新期間に記録した290cmを9か月たっても更新できません。