キネシオテープ 4つの効果と正しい貼り方

トレーナーの仕事で大会に帯同しても、ランナーとしてマラソン大会に出ても、利用している選手を必ず見かけるほど普及したキネシオテープ。 効果と正しい貼り方をまとめました。

効果

キネシオテープは筋肉に作用するテープです。 後述する正しい貼り方を守れば、血液やリンパ液の流れがよくなりその結果筋肉に対して以下の効果が現れます。

筋力アップ

大幅にアップすることはありませんが、明らかに力が入りやすくなります。 このことが理由かどうかはわかりませんが、ウエイトリフティング競技ではキネシオテープの使用が禁止されていると、20年ほど前(1990年代中頃)に聞いたことがあります。 元オリンピック選手から聞いたので、ウソや知ったかぶりでした話ではないと思うのですが。 現行のルールではどうなんでしょうね。

柔軟性改善

これも大幅な改善はありませんが、これも確実に効果があります。 近頃は指導スタンスが変わってあまり使いませんが、トレーナーの仕事でも以前はこの効果をあてにした使い方をかなりの頻度でしていました。

痛みの軽減

皆さんがキネシオテープを貼る目的はこの効果を期待してのことではないでしょうか。 痛みは身体を守る大切な感覚なので、無闇に止めてしまうのは危険なのですが、そういう意味ではキネシオテープの鎮痛効果は安全な範囲内です。

疲労回復・損傷修復の促進

この効果を狙った使い方は今も以前も仕事でよく使います。 ポイントは後述する正しい貼り方で貼ること。 専用テープを使えばさらに高効果です.

貼り方

目的の筋肉を伸ばした状態で、テープを引っ張らずに、筋肉の走行(わからなければ、その筋肉を動かしたときに皮膚が伸び縮みする方向でOK)に沿って貼る。 これが正しい貼り方です。

筋肉を伸ばした状態でテープを引っ張らずに貼って

もとの姿勢に戻るとシワがよります。

このシワがポイントです。 シワが皮膚を持ち上げることで、その部位の血液やリンパ液の流れがよくなる。 その結果起こるのがキネシオテーピングの効果です。

正しく貼らないとどうなる?

「えー、テープ引っ張って貼ってたよー」って人、多いんじゃないですか?

自分でいろいろ試してみた結果や選手からのフィードバックによると、柔軟性改善と痛みの軽減はテープを引っ張って貼ってもまあまあ効果があります。 でも、疲労回復・損傷修復の促進効果はありませんし、筋力に関してはむしろ逆効果になって、力が入りにくくなったり脱力感を覚えることもあります。

脱力感は、経験では小さい筋肉や細い筋肉でよく起こります。 足首の捻挫に関わる腓骨筋や肩の安定に関わる棘上筋になどに貼るときは注意が必要で、貼りにくい(腓骨筋なんかはかなり貼りにくいです)のなら貼らないほうがいいこともあります。